広い世界
先日3/14、Pヴァインより私監修によるボカロコンピ「合成音声ONGAKUの世界」がリリースされました。
それに対するレスポンスとして、きび(kids-bigup)さん、茜涼夏(泡沫たんぽぽ)さん、utakiki(kikimimi)さん らがブログで記事を書いてくれました。
きびさんは「自分がもしコンピを作るなら、どういう構成にするか」と考えアナザーコンピリストを作ってくれました。嬉しいですね。「合成音声ONGAKUの世界」の方は、ボカロを聴いてこなかった人向けに編んでいるので、既にボカロをヘヴィーに聴かれてる方からは正にそんな反応が欲しかったので、ありがたいです。
「Hello World」世界を拓くためのボカロ曲 サプリコンピ:KIDS-BIGUP.inc - ブロマガ
utakikiさんは「往年の有名ボカロ曲の美味しいところだけ切りとった"ボカロへの偏見がはかどるコンピ"」リストを作ってくれました。「ボカロへの偏見が消えるCD(合成音声ONGAKUの世界)」のコアなボカロの世界と「ボカロへの偏見がはかどるコンピ」のポピュラーなサイドと両方合わせて聴いてもらうことで合成音声ONGAKUの奥行きを相互補完できて良いですよねー。
「ボカロへの偏見がはかどるコンピ」:うた聴き:ボカロ曲紹介ブロマガ - ブロマガ
茜涼夏さんは「合成音声ONGAKUの世界」収録曲の全曲への細やかな感想・解説 に加えて、各曲に対してその曲が気に入った人へまた別のおすすめボカロ曲を案内してくれていて、それはビギナーにとってより世界を広げる窓口を用意してくれてるということで、とてもありがたい記事になってます。
ただのボカロ好きが「合成音声ONGAKUの世界」をのぞいてみた #vocanote - 音のまにまに
今回のコンピリリース後、ツイッター検索を駆使して把握するところでは、大方は以前からボカロに親しんできている人が書籍「ボーカロイド音楽の世界 2017」と合わせて買ってくれているような感触です。もっともっとボカロが好きじゃない人の耳に届けたいものですが。
それでも現状は音楽リスニングライフのほとんどをボカロに費やしてる方が購入者には多そうなので、逆に今回私は、既に「合成音声ONGAKUの世界」は聴いてもらえてると仮定して、各収録曲から連想する合成音声ONGAKUではない音楽を紹介してみようと思います。仮想ターゲットはボカロネイティブな、ボカロ以外の音楽を本当にほとんど知らない人向けに。
詳しいことは説明しないので、もし聴いて気になったら興味の向くままに深掘りしてみてもらえたら嬉しいし、きっと楽しいです。
#1 春野 / “nuit” から連想するのは、
Stina Nordenstam の音楽です。いや、別にこの曲がnuitに似てるとかいうわけじゃないです。春野さんの楽曲の静けさとスケールの大きさから私はStina Nordenstam を連想する というだけですが。
#2 Treow / “Blindness” から連想するのは、
Jaga Jazzist の音楽です。ほんとは「Stardust Hotel」の打ち込みによるdemoヴァージョンの方がTreowさんの音に近いんですけどYouTubeにはなかったのでオリジナルの生バンドヴァージョンです。Jaga Jazzist もTreow(現在はELECTROCUTICA名義)も繊細かつ壮大な世界観が共通してる気がします。
#3 piptotap / “春 etc.” から連想するのは、
Vampire Weekend です。個人的にはVampire Weekendよりpiptotaoの曲の方が面白いんですけど、この曲はサウンドが似てな〜い?って感じで連想しました。
#4 羽生まゐご / “阿吽のビーツ” から連想するのは、
Dirty Projectors です。全然似てね〜 って思った?(笑)まあ、piptotaoにダープロでもよかったんですけど、「阿吽のビーツ」のユニークな音使いとは共通点あると思います。結構Dirty Projectorsみたいなモダンな音楽を好む人向けに編んでるとこはあります、「合成音声ONGAKUの世界」は。
#5 拓巳 / “Kaleidoscope” から連想するのは、
The Flaming Lips です。イケイケではない ROCK代表。
#6 cat nap / “ペシュテ” から連想するのは、
トルネード竜巻 です。全然違うっちゃ違うんですけど、メロディーフェチにはたまらない曲がいっぱいあります。
#7 鈴鳴家 / “フリーはフリーダム” から連想するのは、
RCサクセション です。自由っつったらこれでしょ、やっぱり。言ってることは同じです。
#8 松傘、mayrock、sagishi、緊急ゆるポート、trampdog / “人間たち” から連想するのは、
D'Angelo(ディアンジェロ)です。Hiatus Kaiyote とかもおすすめ
。すんごい踊れます。
#9 でんの子P / “World is NOT beautiful” から連想するのは、
エルメート・パスコアル です。パスコアルの曲でもたまに“World is NOT beautiful” 的な音遊びっぽい曲があります。
#10 のうん / “箒星” から連想するのは、
Robert Wyatt です。ワイアットは良いですよ〜〜〜。
#11 ぐらんびあ / “孤独、すべて欲しい” から連想するのは、
Tom Waits です。疾走感があるというだけで頭に浮かびました(笑)ぐらんびあとトムウェイツは親和性ないかもしれないくらい別物ですが。でも、トムウェイツはいいですよ。
#12 キャプテンミライ / “イリュージョン” から連想するのは、
Mild High Club です。キャプテンミライの曲にグッとくるならサイケPOP好きかもしれません。Mild High Club はレトロな感触ですが最近のバンドです。
#13 Dixie Flatline / “シュガーバイン” から連想するのは、
Mari Wilson の「Just What I Always Wanted」 です。まあMari Wilsonよりも掘ってほしいのはMari WilsonをプロデュースしていたTot Taylor です。私はTot Taylor が大大大好きなんです。全盛期は80年代です。
#14 yeahyoutoo / “lean on you” から連想するのは、
syrup16g です。yeahyoutooさんがシロップ好きなことを知ってるからかもしれませんが、影響は感じます。
#15 Noko / “只今” から連想するのは、
Prince です。Princeの曲で最も静かで美しいこの曲が浮かびます。
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いかがでしたか? 知ってるアーティストの知ってる曲ばっかりだったとしても、私が「合成音声ONGAKUの世界」で選曲した音楽とこれらの曲が繋がることに意外性とか発見とか、いやいやもっとこんなアーティストを紹介すべきでしょーが的反論とか、なんかありましたか? もし気が向いたら、またこの記事の反応としてのブログを書いてくれたりする方がいたら面白いなーと少し期待してます。
ボカロPであるMSSサウンドシステムさんも最近はnoteでボカロ内外のHIPHOP曲を色んな切り口で紹介しています。
耳がHIPHOPの人|MSS Sound System|note
あんな人もこんな人もHIPHOP|MSS Sound System|note
ROCKとHIPHOPの邂逅|MSS Sound System|note
他、書籍「ボーカロイド音楽の世界 2017」でレヴューをされているキュウさんによる「私だったら」な選曲マイリストもおすすめです。
同じく、書籍「ボーカロイド音楽の世界 2017」執筆者でもありボカロPであるヒッキーPさんによる「私だったら」な脳内コンピマイリストはこちら
合成音声ONGAKUの世界 by ヒッキーP(大高丈宙) - ニコニコ動画
書籍「ボーカロイド音楽の世界 2017」では「The 50 Essential Songs of 2017」と「Albums of 2017」というボカロ曲とアルバムのレヴューコーナーがあり、そこが売りでもあります。しかし、聴きたい曲をいちいち検索するのは大変です。そこで、ボカロPの平田義久さんが一気に全曲全アルバム一つのリストにまとめてくれてますのでこちらもぜひお時間ある時にご拝聴下さい。
The 50 Essential Songs of 2017 ( from The World of Vocaloid Music 2017 ) by 平田義久 - ニコニコ動画
The 20 Essential Albums of 2017 ( from The World of Vocaloid Music 2017 ) by 平田義久 - ニコニコ動画
ボカロに関するブログ記事を書いた際は #vocanote というタグをつけて宣伝すると読んでくれる人が増えるかもしれませんので、そんな内容の記事の投稿ではぜひ#vocanote タグつけてみてください。